平成27年度介護保険制度変わります。特別養護老人ホーム要介護3以上 利用者負担2割へ
平成27年度介護保険制度改正について
介護保険制度の改正のポイント
- (1)所得が低い65歳以上の方は保険料の軽減を拡充します。
- (2)特別養護老人ホームの入所基準が原則要介護3以上になります。
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(3)一定以上の所得のある65歳以上の方は利用者負担が2割になります。
預貯金等の勘案(1)
預貯金等の勘案(2)
非課税年金の勘案 - (4)所得が低い方で施設及び短期入所サービス(ショートステイ)を利用している方の食費・居住費補助の適用要件に資産要件等が加わります。
- (5)高額介護サービス費の利用者負担限度額が一部の方について引き上げられます。
- (6)高額医療・高額介護合算制度の限度額が一部の方について変わります。
- (7)介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業)が始まります。
平成27年4月から実施
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(1)所得が低い65歳以上の方は保険料の軽減を拡充します。
消費税増税分を財源として、世帯全員が住民税非課税の方(現行の保険料段階が第1~第4 段階の方)の保険料を軽減します。(保険料の基準額に対する軽減割合を拡充します。) -
(2)特別養護老人ホームの入所基準が原則要介護3以上になります。
特別養護老人ホームへの新規入所は、原則、要介護3以上の方が対象となります。(すでに 入所している方は除きます。)ただし、要介護1・2の方でも、やむを得ない事情により在宅生活 が困難な状況にあれば、新規入所が認められる場合(※)があります。 ※要介護1・2の方で新規入所が認められる要件については現在検討中です。
平成27年8月から実施
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(3)一定以上の所得のある65歳以上の方は利用者負担が2割になります。
一定以上の所得のある65歳以上の方が、介護サービスを利用したときは、利用者負担が1割から2割になります。
(64歳以下の方の利用者負担は1割です。)
◆所得に応じた利用者負担
※合計所得金額…年金収入や給与収入、事業収入などから公的年金控除や給与所得控除、必要経費を控除した額
●介護保険負担割合証が発行されます
要支援、要介護の認定を受けた方全員に、ご自身の負担割合(1割または2割)が記載された「介護保険負担割合証」が平成27年7月頃届きます。
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預貯金等の勘案(1)
(預貯金等の範囲)
○ 勘案の対象とする預貯金等の基本的考え方は以下のとおり
・ 資産性があるもの、換金性が高いもの、かつ価格評価が容易なものを資産勘案の対象とする。
・ 価格評価を確認できる書類の入手が容易なものについては添付を求める。
種類 対象か否か 確認方法 預貯金(普通・定期) ○ 通帳の写し(インターネットバンクであれば口座残高 ページの写し) 有価証券(株式・国債・地方債・社債 など) ○ 証券会社や銀行の口座残高の写し(ウェブサイトの 写しも可) 金・銀(積立購入を含む)など、購入 先の口座残高によって時価評価額 が容易に把握できる貴金属 ○ 購入先の銀行等の口座残高の写し(ウェブサイトの 写しも可) 投資信託 ○ 銀行、信託銀行、証券会社等の口座残高の写し (ウェブサイトの写しも可) タンス預金(現金) ○ 自己申告 負債(借入金・住宅ローンなど) ○ 借用証書など 生命保険 × - 自動車 × - 貴金属(腕時計・宝石など、時価評 価額の把握が困難であるもの) × - その他高価な価値のあるもの(絵 画・骨董品・家財など) × -
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預貯金等の勘案(2)
(適正な申告の確保方策)
① 通帳の写し
・ 申請の際、申請日の直近から、原則として2か月前までの通帳の写しを添付。
・ 提出は必要に応じ求める(毎年までは求めないことも可)。
② 不正行為への加算金
・ 給付した額の返還に加えて給付額の最大2倍の加算金(給付額含め3倍)を課すことができる。
③ 金融機関への照会
・ 法203条に基づき銀行等への預貯金の照会を行うことが可能であり、必要に応じて実施。
・ 申請書に、預貯金等の金融機関への照会について本人及び配偶者(内縁含む)の同意記入欄を設ける。
・ 金融機関への照会方法については、本店一括照会の活用の可能性も含め、関係団体と調整中。
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非課税年金の勘案
(勘案する年金の範囲)
○ 勘案する年金としては、
・国民年金法による遺族基礎年金・障害基礎年金
・厚生年金保険法による遺族厚生年金・障害厚生年金
・共済各法による遺族共済年金・障害共済年金
等を想定しており、具体的には告示で定めることとする。
(判定方法)
○ 市町村に年金保険者から非課税年金に係る情報を提供する仕組みを設けることを現在検討中。
○ 各市町村には、特別徴収対象者と同様に、国民健康保険中央会及び国民健康保険団体連合会を経由して情報提供が行われ、
これにより判定する仕組みとする予定。
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(4)所得が低い方で施設及び短期入所サービス(ショートステイ)を利用している方の食費・居住費補助の適用要件に資産要件等が加わります。
所得が低い方で施設及び短期入所サービス(ショートステイ)を利用している方の食費・居住費補助の適用要件が追加されます。
◆適用要件
次の要件に該当する場合に、食費・居住費の補助があります。
(平成27年8月からは、別世帯の配偶者の方が住民税課税者である場合、または預貯金等が一定額(単身1,000万円、夫婦2,000万円)を超える場合は、食費・居住費の補助はありません。)
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(5)高額介護サービス費の利用者負担限度額が一部の方について引き上げられます。
同じ月に利用した介護保険の利用者負担が一定額を超えたときに支給される「高額介護サービス費」の利用者負担段階区分(所得などに応じた区分)に「現役並み所得者(※)」が新設され、新しい限度額が設定されます。
◆利用者負担の上限(1か月)
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(6)高額医療・高額介護合算制度の限度額が一部の方について変わります。
年間の介護保険サービス費と医療費の自己負担(それぞれサービスの限度額適用後の自己負担)が一定の限度額を超えたときに、超えた分が支給される「高額医療・高額介護合算制度」の限度額が変更されます(70歳未満の方のみ変更されます)。
◆高額医療・高額介護合算制度の負担限度額(年額/8月~翌年7月)
●支給対象となる方は医療保険の窓口へ申請が必要です。
●毎年7月31日時点で加入している医療保険の所得区分が適用されます。
平成29年4月までに実施
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(7)介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業)が始まります。
平成37年には、団塊の世代が75歳を迎えるなど高齢化が進展していく中、要支援者 又は要支援者になる恐れのある方の多様な生活支援のニーズに地域全体で応えていくため、 新しい総合事業が始まります。 これに伴い、要支援者の方の訪問介護・通所介護について、全国一律のサービスから、 新しい総合事業に移行し、これまでと同様のサービスに加え、多様な担い手による新たな サービスが提供されます。
ご検討前の基礎知識 <目次>
成年後見人制度について | 有料老人ホームの定義 | 老人ホーム分類 |
老人ホームの類型及び表示事項 | 介護保険制度の概要 | 介護保険のサービス |
地域密着型サービスの概要 |
● 有料老人ホーム改正のポイント ● 平成18年度 改正のポイント ● 平成24年 改正のポイント ● 平成27年 改正のポイント ● 有料老人ホーム標準指導指針の見直しについて ● 有料老人ホームの設置運営標準指導指針について ● 介護保険制度改正のポイント ● 平成27年度介護保険制度が変わります! |