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平成24年 改正のポイント 有料老人ホームの設置運営標準指導指針について
「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」の一部改正について
介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律(平成23年法律第72号)は平成23年6月22日に、介護iサービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令(平成23年政令第376号。以下「整備政令」というe)は平成23年12月2日に、介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令(平成24年厚生労働省令第11号)は平成24年1月30日にそれぞれ公布され、いずれも同年4月1日より施行されることになっている。
今般、これらの改正を踏まえ、「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」(平成14年7月18日老発第0718003号)について、別添のとおり改正することとし、その概要は下記のとおりであるので、十分御了知の上、管内市町村(特別区を含む。)をはじめ、関係者、関係団体等に対し、その周知徹底を図るとともに、貴管内の有料老人ホームに対して適切な指導を行われたい。
なお、本通知は、平成24年4月1日から適用する。
また、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項に規定する技術的な助言に該当するものである。
1. 一時金に関する規定の改正
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(1)老人福祉法(昭和38年法律第133号)第29条第6項の規定が適用される
有料老人ホームについては、受領する一時金が、権利金等に該当しないことを契約書等に明示し、契約に際して十分に入居者に対して説明すること、なお、経過措置により権利金等の金品の受領禁止が義務付けられていない有料老人ホームであっても、一時金の算定根拠について入居契約に際し、入居者に対して十分に説明すること。
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(2)一時金の償却年数は、入居者の終身にわたる居住が平均的な余命等を勘案して想定される期間(以下「想定居住期間」という。)とすること。
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(3)一時金の算定根拠については、想定居住期間を設定した上で、次のいずれかにより算定することを基本とすること。
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①期間の定めがある契約の場合
(1ヶ月分の家賃相当額)x(想定居住期間(月数))
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②終身にわたる契約の場合
(1ヶ月分の家賃相当額)x(想定居住期間(月数))+(想定居住期間を超えて契約が継続する場合に備えて受領する額)
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①期間の定めがある契約の場合
-
(4)想定居住期間を超えて契約が継続する場合に備えて受領する額については、具体的な根拠により算出された額とすること。
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(5)老人福祉法第29条第8項の規定により返還される額については、契約書等に明示し、入居契約に際し、入居者に対して十分に説明するとともに、一時金の返還を確実に行うこと。
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(6)入居契約において、入居者の契約解除の申し出から実際の契約解除までの期間として予告期間等を設定し、老人福祉法施行規則(昭和38年厚生省令第28号)第21条第1項第1号に規定する一時金の返還債務が義務づけられる期間を事実上短縮することによって、入居者の利益を不当に害してはならないこと。
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(7)重要事項説明書の利用料金に係る様式の改正
2. 事故発生の防止及び発生時の対応に係る規定の追加
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(1)事故が発生した場合の対応、報告の方法等が記載された事故発生の防止のための指針を整備すること。
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(2)事故が発生した場合又はそれに至る危険性がある事態が生じた場合に、当該事実が報告され、その分析を通した改善策について、職員に周知徹底する体制を整備すること。
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(3)事故発生の防止のための委員会及び職員に対する研修を定期的に行うこと。
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(4)入居者に対する処遇により事故が発生した場合は、速やかに都道府県、指定都市又は中核市及び入居者の家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じること。
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(5)事故の状況及び事故に際して採った措置について記録すること。
3. 未届施設や指導指針を遵守していない施設への指導に係る規定の追加
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(1)届出を行った上で指導指針の遵守に向け計画的に運営の改善を図ること。
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(2)老人福祉法第29条第1項に規定する届出を行っていない場合や、本指針に基づく指導を受けている場合は、重要事項説明書にその旨を記載するとともに、入居契約に際し、入居者に対して十分に説明すること。
4. その他
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(1)高齢者の居住の安定確保に関する法律等の一部を改正する法律(平成23年法律第74号)の施行の際、現に高齢者専用賃貸住宅であった有料老人ホームについて構造設備の基準を一部緩和する規定の追加
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(2)家族との交流・外出の機会を確保する努力義務規定の追加
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(3)協力歯科医療機関を定める努力義務規定の追加
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(4)整備政令による地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)の一部改正を踏まえ、有料老人ホームの指導主体として指定都市及び中核市の市長を追加
【重要】有料老人ホーム設置運営標準指導指針の一部改正と前払金の算定基礎・返還金の算定方法
平成24年3月16日付け老発0316第1号厚生労働省老健局長通知「「有料老人ホーム設置運営標準指導指針」の一部改正について」および平成24年3月16日付け厚生労働省老健局高齢者支援課事務連絡「有料老人ホームにおける家賃等の前払金の算定の基礎及び返還債務の金額の算定方法の明示について」の送付がありましたので、お知らせいたします。
平成24年4月1日に施行される改正老人福祉法・改正老人福祉法施行規則等を踏まえて、有料老人ホームの入居一時金の算定基礎や返還金の算定方法などに関するガイドラインが定められたものです。平成23年11月22日付けの厚生労働省・国土交通省によるサービス付き高齢者向け住宅の前払金に関する事務連絡と同様の考え方が示されています。
入居一時金に関するガイドライン以外に、(1)事故発生の防止と発生時の対応に係る規定、(2)未届施設や指導指針を遵守していない施設への指導に係る規定なども盛り込まれています。
これらに基づき、各都道府県・指定都市・中核市は「有料老人ホーム設置運営指導指針」を改定・策定するとともに、各有料老人ホームに対する指導を行うことになります。
有料老人ホームにおける家賃等の前払金の算定の基礎及び返還債務の金額の算定方法の明示について
老人福祉法(昭和38年法律第133号)第29条第7項の規定に基づき、有料老人ホームの設置者のうち終身にわたって受領すべき家賃等の全部又は一部を前払金として一括して受領するものは、前払金の算定の基礎を書面で明示することが義務付けられている。
有料老人ホームの設置者に対する指導に際して参考としていただけるよう、下記の家賃等の前払金の算定の基礎及び返還債務の金額の算定方法を入居契約に明示する際の考え方及び別添の例を示すこととしたので、有料老人ホームに入居しようとする高齢者の保護が適切に図られるよう特段の配慮をお願いする。
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1. 家賃等の前払金の算定の基礎
家賃等の前払金の算定の基礎については、契約形態に応じて入居契約に明示する必要がある。
(1) 期間の定めがある賃貸借契約又は利用権契約の場合(別添の事例1)
(1ヶ月分の家賃等の額)×(契約期間(月数))
(2) 終身建物賃貸借契約又は終身にわたる利用権契約の場合(別添の事例2)
高齢者住まい法第52条の終身建物賃貸借契約を締結する場合又は有料老人ホームにおいて終身にわたる利用権契約を締結する場合には、入居者の終身にわたる居住が平均的な余命等を勘案して想定される期間(以下「想定居住期間」という。)を設定した上で、以下のとおり算定することを基本とする。
(1ヶ月分の家賃等の額)×(想定居住期間(月数))+(想定居住期間を超えて 契約が継続する場合に備えてサービス付き高齢者向け住宅事業を行う者が受領す る額)
この場合においては、以下の事項に留意する必要がある。
-
① 「想定居住期間」については、入居している又は入居することが想定される高齢者(母集団)の入居後の各年経過時点での居住継続率をもとに、居住継続率が概ね50%となるまでの期間を考慮して設定すること。
その際、居住継続率は、入居している又は入居することが想定される高齢者(母集団)の入居時の年齢、性別、心身の状況等に応じて、簡易生命表(厚生労働省発表)等による平均的な余命等を勘案して、具体的かつ客観的な根拠により示す必要があること。 -
② 家賃等の前払金の額については、毎年度、
ⅰ)家賃等の前払金の額から、
ⅱ)退去(死亡)した場合には、想定居住期間までの残りの期間に相当する額を返還し、
ⅲ)引き続き居住している場合には、毎月の家賃等の額に充当し、
ⅳ)ⅰ)からⅱ)とⅲ)を控除した額から家賃等の前払金の保全措置を講ずべき
額を除いた額を運用し、翌年度当初の家賃等の前払金の額とすることとし、最終的に退去した(居住継続率が0となる)年度における家賃等の前払金の残高が0とように設定することを基本とし、「想定居住期間を超えて契約が継続する場合に備えてサービス付き高齢者向け住宅事業を行う者が受領する額」を明示すること。
なお、上記は、前払金の算定の基礎を示すものであり、会計・税務上の収益計上等の処理を示すものではないことに留意する必要がある。 - ③ 想定居住期間は、「家賃等の前払金の返還債務が消滅するまでの期間」(高齢者住まい法第17条に基づき、登録事業者が、登録住宅に入居しようとする者に対し、入居契約を締結するまでに、書面を交付して説明する必要がある事項として、国土交通省・厚生労働省関係高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則(平成23年厚生労働省令・国土交通省令第2号)第20条第4号に規定するものをいう。)と同じ期間とする必要があること。
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① 「想定居住期間」については、入居している又は入居することが想定される高齢者(母集団)の入居後の各年経過時点での居住継続率をもとに、居住継続率が概ね50%となるまでの期間を考慮して設定すること。
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2. 家賃等の前払金の返還債務の金額の算定方法
家賃等の前払金の返還債務の金額の算定方法については、契約形態に応じて入居契約に明示する必要がある。
(1) 期間の定めがある賃貸借契約又は利用権契約の場合(別添の事例1)
①入居者の入居後、3月が経過するまでの間に契約が解除され、又は入居者の死亡により終了した(以下「契約が解除等された」という。)場合
(家賃等の前払金の額)-(1ヶ月分の家賃等の額)÷30×(入居の日から起算して契約が解除等された日までの日数)
②入居者の入居後、3月が経過し、契約期間が経過するまでの間に契約が解除等された場合
契約が解除等された日以降、契約期間が経過するまでの期間につき、日割計算により算出した家賃等の額
(2) 終身建物賃貸借契約又は終身にわたる利用権契約の場合(別添の事例2)
①入居者の入居後、3月が経過するまでの間に契約が解除等された場合
(家賃等の前払金の額)-(1ヶ月分の家賃等の額)÷30×(入居の日から起算して契約が解除等された日までの日数)
②入居者の入居後、3月が経過し、想定居住期間が経過するまでの間に契約が解除等された場合
契約が解除等された日以降、想定居住期間が経過するまでの期間につき、日割計算により算出した家賃等の額
(参照条文)
○ 高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成十三年法律第二十六号)
(登録の基準等)
第七条都道府県知事は、第五条第一項の登録の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときは、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除き、その登録をしなければならない。
- 六 入居契約が次に掲げる基準に適合する契約であること。
- ニ 家賃等の前払金を受領する場合にあっては、当該家賃等の前払金の算定の基礎及び当該家賃等の前払金についてサービス付き高齢者向け住宅事業を行う者が返還債務を負うこととなる場合における当該返還債務の金額の算定方法が明示された契約であること。
- ホ 入居者の入居後、国土交通省令・厚生労働省令で定める一定の期間が経過する日までの間に契約が解除され、又は入居者の死亡により終了した場合において、サービス付き高齢者向け住宅事業を行う者が、国土交通省令・厚生労働省令で定める方法により算定される額を除き、家賃等の前払金を返還することとなる契約であること。
○ 国土交通省・厚生労働省関係高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則
(平成二十三年厚生労働省・国土交通省令第二号)
(家賃等の前払金の返還方法)
第十二条法第七条第一項第六号ホの国土交通省令・厚生労働省令で定める一定の期間は、次に掲げるものとする。
- 一 入居者の入居後、三月が経過するまでの間に契約が解除され、又は入居者の死亡により終了した場合にあっては、三月
-
二 入居者の入居後、法第七条第一項第六号ニの家賃等の前払金の算定の基礎として想定した入居者が入居する期間が経過するまでの間に契約が解除され、又は入居者の死亡により終了した場合(前号の場合を除く。)にあっては、当該期間
2 法第七条第一項第六号ホの国土交通省令・厚生労働省令で定める方法は、次に掲げるものとする。
- 一 前項第一号に掲げる場合にあっては、法第六条第一項第十二号の家賃等(以下単に「家賃等」という。)の月額を三十で除した額に、入居の日から起算して契約が解除され、又は入居者の死亡により終了した日までの日数を乗じる方法
- 二 前項第二号に掲げる場合にあっては、契約が解除され、又は入居者の死亡により終了した日以降の期間につき日割計算により算出した家賃等の金額を、家賃等の前払金の額から控除する方法
-
家賃等の前払金の算定の基礎及び返還債務の金額の算定方法の明示の例
事例1:期間の定めがある賃貸借契約又は利用権契約の場合
<前提条件>
- ① 家賃等の額 1ヶ月分の家賃の額:6万円 1ヶ月分の高齢者生活支援サービスの提供の対価:2万円
- ② ①のうち、家賃等の前払金として支払う額 1ヶ月分の家賃の額のうち3万円 (毎月支払う額は、1ヶ月分の家賃の額のうち3万円と1ヶ月分の高齢者生活支援 サービスの提供の対価2万円)
- ③ 契約期間 5年間
<家賃等の前払金の算定の基礎>
(1ヶ月分の家賃の額)×(契約期間(月数))=3万円×12ヶ月×5年間=180万円
<家賃等の前払金の返還債務の金額の算定方法>
-
①入居者の入居後、3月が経過するまでの間に契約が解除等された場合
(家賃の前払金の額)-(1ヶ月分の家賃の額)÷30×(入居の日から起算して契約が解除等された日までの日数)
例)入居者の入居後、30日経過時点で契約が解除等された場合の返還金額
180万円-3万円÷30×30日=177万円
-
②入居者の入居後、3月が経過し、契約期間が経過するまでの間に契約が解除等された場合
契約が解除等された日以降、契約期間が経過するまでの期間につき、日割計算により算出した家賃の額
例)入居者の入居後、3年間経過時点で契約が解除等された場合の返還金額
3万円×12ヶ月×(5-3)年=72万円
事例2:終身建物賃貸借契約又は終身にわたる利用権契約の場合
<前提条件>
-
① 家賃等の額
1ヶ月分の家賃の額:6万円
1ヶ月分の高齢者生活支援サービスの提供の対価:2万円
-
② ①のうち、家賃等の前払金として支払う額
1ヶ月分の家賃の額のうち3万円
(毎月支払う額は、1ヶ月分の家賃の額のうち3万円と1ヶ月分の高齢者生活支援サービスの提供の対価2万円)
- ③ 運用利率:1%(参考:確定給付企業年金の下限予定利率1.1%(平成23年))
- ④ 前払金の保全措置:信託(保全措置を講ずべき額を除いた範囲で運用可能)
<家賃等の前払金の算定の基礎>
1. 入居時年齢が75歳・男性の場合、平成22年簡易生命表(厚生労働省発表)から平均余命を勘案した居住継続率は以下の表の
とおり。
→居住継続率が概ね50%となる期間(12年間)を「想定居住期間」とする。
年齢 死亡率 生存率 入居後の年数 年初居住継続率 年央居住継続率 75 3.1% 96.9% 1 100.0% 98.5% 76 3.5% 96.5% 2 96.9% 95.3% 77 3.9% 96.1% 3 93.6% 91.7% 78 4.4% 95.6% 4 89.9% 87.9% 79 4.9% 95.1% 5 86.0% 83.8% 80 5.5% 94.5% 6 81.7% 79.5% 81 6.2% 93.8% 7 77.2% 74.8% 82 6.9% 93.1% 8 72.4% 70.0% 83 7.7% 92.3% 9 67.5% 64.9% 84 8.6% 91.4% 10 62.3% 59.6% 85 9.6% 90.4% 11 56.9% 54.2% 86 10.6% 89.4% 12 51.5% 48.8% 87 11.6% 88.4% 13 46.1% 43.4% 88 12.9% 87.1% 14 40.7% 38.1% 89 14.2% 85.8% 15 35.5% 33.0% 90 15.5% 84.5% 16 30.5% 28.1% 91 16.9% 83.1% 17 25.7% 23.6% 92 18.3% 81.7% 18 21.4% 19.4% 93 19.8% 80.2% 19 17.5% 15.8% 94 21.4% 78.6% 20 14.0% 12.5% 95 23.0% 77.0% 21 11.0% 9.8% 96 24.7% 75.3% 22 8.5% 7.4% 97 26.4% 73.6% 23 6.4% 5.6% 98 28.2% 71.8% 24 4.7% 4.0% 99 30.1% 69.9% 25 3.4% 2.9% 100 32.0% 68.0% 26 2.4% 2.0% 101 34.0% 66.0% 27 1.6% 1.3% 102 36.0% 64.0% 28 1.1% 0.9% 103 38.1% 61.9% 29 0.7% 0.6% 104 40.2% 59.8% 30 0.4% 0.3% 105 100.0% 0.0% 31 0.3% 0.1% ・生存率:100%-死亡率
・年初居住継続率(○年目):(○-1年目の年初居住継続率)×(○-1年目の生存率)
・年央居住継続率(○年目):{(○年目の年初居住継続率)+(○+1年目の年初居住継続率)}÷2
2.最終的に退去した年度(居住継続率が「0」となる31年目)における残高が0となるように、家賃の前払金の額を設定する。
(1年目)
-
ⅰ)家賃の前払金の額
31年目における前払金の残高が「0」となるよう、逆算して算定511万円
-
ⅱ)退去(死亡)した場合には、想定居住期間までの残りの期間に相当する額を返還
(1ヶ月分の家賃の額)×12ヶ月×(想定居住期間までの残りの期間)×(退去率)
3万円×12ヶ月×12年間×(100%-98.5%)≒7万円
-
ⅲ)引き続き居住している場合には、毎月の家賃の額に充当
(1ヶ月分の家賃の額)×12ヶ月×(居住継続率)3万円×12ヶ月×98.5%≒35万円
-
ⅳ)家賃の前払金の保全措置を講ずべき額
家賃の前払金のうち残存する期間に係る額((1ヶ月分の家賃の額)×12ヶ月×(想定居住期間までの
残りの期間)×(居住継続率)と500万円のいずれか低い方
3万円×12ヶ月×12年間×98.5%≒425万円
-
→残高はⅰ)-ⅱ)-ⅲ)≒469万円
このうち運用可能な範囲は、ⅳ)を除いた44万円
(2年目)
-
ⅰ)家賃の前払金の保全措置を講ずべき額を除き、1年目残高を運用(運用利率1%)
425万円+44万円×1.01≒470万円
-
ⅱ)退去(死亡)した場合には、想定居住期間までの残りの期間に相当する額を返還
(1ヶ月分の家賃の額)×12ヶ月×(想定居住期間までの残りの期間)×(退去率)
3万円×12ヶ月×11年間×(98.5%-95.3%)≒13万円
-
ⅲ)引き続き居住している場合には、毎月の家賃の額に充当
(1ヶ月分の家賃の額)×12ヶ月×(居住継続率)
3万円×12ヶ月×95.3%≒34万円
-
ⅳ)家賃の前払金の保全措置を講ずべき額
家賃の前払金のうち残存する期間に係る額((1ヶ月分の家賃の額)×12ヶ月×(想定居住期間までの
残りの期間)×(居住継続率)と500万円のいずれか低い方
3万円×12ヶ月×11年間×95.3%≒377万円
-
→残高はⅰ)-ⅱ)-ⅲ)≒423万円
このうち運用可能な範囲は、ⅳ)を除いた46万円
(3~29年目も同じ)
(30年目)
-
ⅰ)家賃の前払金の保全措置を講ずべき額を除き、29年目残高を運用(運用利率1%)
1,644円×1.01≒1,661円
-
ⅱ)退去(死亡)した場合には、想定居住期間までの残りの期間に相当する額を返還0万円
-
ⅲ)引き続き居住している場合には、毎月の家賃の額に充当
(1ヶ月分の家賃の額)×12ヶ月×(居住継続率)
3万円×12ヶ月×0.337%≒1,212円
-
ⅳ)家賃の前払金の保全措置を講ずべき額0万円
-
→残高はⅰ)-ⅱ)-ⅲ)=449万円(全額運用可能)
3.家賃の前払金の算定の基礎を明示する。
(1ヶ月分の家賃)×(想定居住期間(月数))+(想定居住期間を超えて契約が継続する場合に備えてサービス付き高齢者向け住宅事業を行う者が受領する額)
3万円×12ヶ月×12年間+79万円=511万円
<家賃等の前払金の返還債務の金額の算定方法>
-
①入居者の入居後、3月が経過するまでの間に契約が解除等された場合
(家賃の前払金の額)-(1ヶ月分の家賃の額)÷30×(入居の日から起算して契約が解除等された日までの日数)
例)入居者の入居後、30日経過時点で契約が解除等された場合の返還金額
511万円-3万円÷30日×30日=508万円
-
②入居者の入居後、3月が経過し、想定居住期間が経過するまでの間に契約が解除等された場合
契約が解除等された日以降、想定居住期間が経過するまでの期間につき、日割計算により算出した家賃の額
例)入居者の入居後、3年間経過時点で契約が解除等された場合の返還金額
3万円×12ヶ月×(12-3)年=324万円
【重要】改正老人福祉法施行規則により入居一時金の返還金ルールが明確にされました(4月1日以降の入居者から対象)
1月30日に介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令(平成24年厚生労働省令第11号)が公布されました。当該省令により、老人福祉法施行規則が改正され、改正老人福祉法第29条第8項(新設された前払金の返還金ルール)の細目が明らかになりましたので、ご報告いたします。会員の皆様には、2011年10月31日付け会報でお知らせしましたサービス付き高齢者向け住宅のルールについて、有料老人ホームにも同様の規定がおかれております。
具体的には、返還金について次のとおり定めています。(青字は特定協事務局解説)
■ 返還金の金額の算定方法
(1)入居者の入居後、3月が経過するまでの間に契約が終了した場合
返還金=(家賃の前払金の額)-(1ヶ月分の家賃の額)÷30×(入居の日から起算して契約終了日までの日数)
※従来の通称「90日ルール」の期間が3ヶ月に改められ、実費徴収の基準が、前払金の算定根拠とした月額家賃を30で除した日割り家賃に日数をかけた金額に明確化されています。
(2)入居者の入居後、3月が経過し、想定居住期間が経過するまでの間に契約が終了した場合
返還金=契約終了日以降、想定居住期間が経過するまでの期間につき、日割計算により算出した家賃の額
※3ヶ月経過後、想定居住期間(=償却期間)内の返還金は、想定居住期間までの日割り(計算方法は事業者の任意)で算定した家賃を返還することとされています。月次での償却・返還金算定ではなく、日割りで算出することが求められています。
施行は、平成24(2012)年4月1日以降に入居した入居者から対象となりますので、各事業者は準備を急いでいただきますよう、よろしくお願いいたします。
特定協事務局において返還金ルールの解説資料を作成しましたので、ご覧ください。また、「サービス付き高齢者向け住宅における家賃等の前払金の算定の基礎及び返還債務の金額の算定方法の明示について」(平成22年11月22日厚生労働省老健局高齢者支援課・国土交通省住宅局安心居住推進課事務連絡)も参考になりますので、ご覧ください。(今後、有料老人ホームに関する同様の事務連絡も予想されます。)
【参照条文】
■ 改正後の老人福祉法第29条第8項
有料老人ホームの設置者は、前項に規定する前払金を受領する場合においては、当該有料老人ホームに入居した日から厚生労働省令で定める一定の期間を経過する日までの間に、当該入居及び介護等の供与につき契約が解除され、又は入居者の死亡により終了した場合に当該前払金の額から厚生労働省令で定める方法により算定される額を控除した額に相当する額を返還する旨の契約を締結しなければならない。
■ 改正後の老人福祉法施行規則第21条
(家賃等の前払金の返還方法)
第二十一条 法第二十九条第八項の厚生労働省令で定める一定の期間は、次に掲げるものとする。
- 一 入居者の入居後、三月が経過するまでの間に契約が解除され、又は入居者の死亡により終了した場合にあつては、三月
- 二 入居者の入居後、一時金の算定の基礎として想定した入居者が入居する期間が経過するまでの間に契約が解除され、又は入居者の死亡により終了した場合(前号の場合を除く。)にあつては、当該期間
- 2 法第二十九条第八項の厚生労働省令で定める方法は、次に掲げるものとする。
- 一 前項第一号に掲げる場合にあつては、法第二十九条第七項の家賃その他第二十条の九に規定する費用(次号において「家賃等」という。)の月額を三十で除した額に、入居の日から起算して契約が解除され、又は入居者の死亡により終了した日までの日数を乗ずる方法 二 前項第二号に掲げる場合にあつては、契約が解除され、又は入居者の死亡により終了した日以降の期間につき日割計算により算出した家賃等の金額を、一時金の額から控除する方法
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平成24年3月16日 有料老人ホームにおける家賃等の前払金の算定の基礎及び返還債務の金額の算定方法の明示について 資料
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● 有料老人ホーム改正のポイント ● 平成18年度 改正のポイント ● 平成24年 改正のポイント ● 平成27年 改正のポイント ● 有料老人ホーム標準指導指針の見直しについて ● 有料老人ホームの設置運営標準指導指針について ● 介護保険制度改正のポイント ● 平成27年度介護保険制度が変わります! |